二年前、小柄で何時も明るく優しい年老いた妻が、思いがけ
ず鬱病を患ってしまいました。
　幸い現在は完全に回復して、年にも似合わず毎日元気に飛び
回っております。そんな闘病中から回復するまでの妻への想い
を、既に投稿したものと未投稿のものを合わせて再編集しまし
た。
　なお、今回から俳句と短歌は別投稿になります。

　　　　　　俳句
　　
　　中秋の月は寂しき妻は病む
　　笑顔なき吾が妻愛し秋の空
　　入院に鬱なる妻の声寂し
　　隣人に妻の容体話す秋
　　病む妻はしょんぼり一人秋時雨
　　受話越しのか細き声や妻の秋
　　心病む妻の微笑み虫しぐれ
　　晩秋にか細く響く虫の声
　　秋の空沈むばかりか吾が心
　　秋深し明日も生きるか思案せり
　　病む妻の笑顔見られず秋の朝
　　入院の妻哀れ寂しき夜長
　　秋深し愛しき妻や声寂し
　　秋雨に移ろい行く日妻は鬱
　　何一つ出来ぬ我が身よ春寒し
　　八重咲きも一重も同じ散る桜
　　紅梅や鬱なる妻の笑み嬉し
　　待ちわびる妻の退院霜柱
　　病癒え白菜採る妻顔嬉し
　　大根（すずしろ）のふりかけ美味し妻の笑み
　　蕗蕨ゼンマイ採りて妻の笑み
　　生き生きと山菜採りに弾む妻
　　無理するな妻は笑ってウンと云う
　　日暮れ前草苅る妻を吾は呼び
　　チョコマカと妻よ走るな躓くな
　　妻笑い何事も無く秋の暮れ

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